年末になりますと、街中がイルミネーションなどで彩られ、明るい雰囲気になります。
少しクリスマスを思い見てみたいと思います。
アメリカのオレゴン州在住のジル・ロバーツさんにとって人生最良のクリスマスは、実は
人生で最悪のクリスマスだったのです。
1983年のこと、非常に困難だった離婚の後、ジルさんは、経済的にも情緒的にも泥沼に
陥ってもがいている状態でした。せめてもの救いは、娘さん達がおられたことです。
家の返済、収入の少ない仕事など、娘さん二人を抱え、悩みは深刻でした。非常事態に追
い込まれた時、恥も外聞も捨てて、娘さんの小学校の校長先生に助けを求めることにしま
した。先生は親切な女性で、娘さん達を給食支援プログラムに登録して下さいました。
ジルさんは、自分を取り巻く暗黒の中で絶望と戦っていました。
その日の午後、校長先生が訪ねてこられて、学区からの贈り物を届けて下さいました。箱
の中には、お祝いの日の食卓に必要な物が全部入っていました。鮮やかなピンクの箱には、着せ替え人形が一体ずつ入っていました。その時娘さん達が学校から帰ってきました。
二人とも中身を一つ一つ取り出すたびに歓声をあげました。ジルさんは、肩から重荷が取
り除かれたように感じ、気力がまた湧いてくるのを覚えました。
その時、一人の娘さんが「これ誰からの贈り物?」と尋ねました。
ジルさんが説明していくと表情が変わり、口を開いて「ママ、この贈り物はとてもすてき
だわ。でも、これは貧しい人の家に届けなくちゃいけないものよ。」と言いました。
二人が話し合って後、その箱を近所に住むワニータの所へ届けようと決めたようでした。
ワニータさんは、近くのランドリーで働いている女性で、老朽化した家に一人で暮らして
いました。唯一暖を取るための薪ストーブは壊れてしまい、最近ワニータさんは体を悪く
していました。娘さん達は箱をガレージまで運んで行き、赤い引っぱり台車に乗せました。
ジルさんは、娘さんたちが台車を重そうに引いていく姿を、キッチンの窓から見ていました。二人は、コートを着て襟巻を巻いて、防寒の耳覆いに届きそうなほどに口を大きく開
けて笑っていました。と、その時突然、雪道がきらきらと輝き出しました。
見ると、厚く垂れ込めた暗い雪雲の間から一筋の光が差し込んできたのでした。
この光景にジルさんは、鳥肌が立つのを覚えながらその場に立ち尽くし、この一連の出来
事の持つ意味と美しさを理解したのでした。そしてそのことから、すべてが変わりました。
ジルさんは、心に喜びを感じるようになったのです。
あのときワニータさんが、ジルさんご家族に祝福があるようにと願って手紙に綴って下さ
った温かい励ましの言葉は、ジルさんの胸の中にいつまでも大切にしまわれています。
クリスマスは、わたしたちの救い主イエス・キリストがお生まれになったことを喜び祝う
時です。イエスさまは、動物たちの住む小屋で布にくるまって飼い葉おけの寝かされました。それは、人類の救い主であることのしるしでした。また、それはイエスさまのご生涯
を表しているへりくだりの始まりでした。すべての人々を救うために高い天からこの世界
に降って来られた方が、わたしたち一人ひとりの救い主です。
このクリスマスの時期にイエスさまのご降誕を心から感謝して、心の中にイエスさまを迎
え入れましょう。
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